「フィールドを名前で設定」スクリプトステップ、一歩前進。

FileMaker Pro 10 で追加された「フィールドを名前で設定」スクリプトステップ、よい改善で、一歩前進ですね。
システムを開発する場合、処理の流れによって、異なるテーブル、異なるフィールドに値を保存する分岐は珍しくありませんが、バージョン9以前はフィールド設定の対象フィールド名はハードコードだったので、分岐が必要な時はロジック分のフローを書かなければなりませんでした。

同じロジックなのに、処理対象を動的に変えられないために、同じ処理をハードコードするというのは、ストレスのたまる作業です。修正や変更が加わると、分岐の数だけ修正や変更作業を繰り返すことになるので、想像するだけでも嫌になってしまったりします。

繰り返し位置の番号を動的に変えるのは、少し前のバージョンで対応していましたが、「フィールドを名前で設定」スクリプトステップで、フィールド名ハードコードの問題はほぼクリアされました。「ほぼ」というのは、テーブルオカレンスという FileMaker 独自の概念のために、操作対象を指定するのがちょっと面倒ということです。普通の SQL 系データベースのように、単純にテーブル名、フィールド名を狙えるとより良いのではありますが、まあ良しとしておきましょう。

FileMaker の古いバージョンでは、ハードコードを強いられる要素が多かったのですが、バージョンアップとともに改善され、一番利用頻度の高いフィールドを動的に狙えるようになったことで、不自由を感じる場面はかなり減りました。

スクリプト内でハードコード不可避な要素として残っているのは、インポート/エクスポートのダイアログ内の要素、ソート順、アカウント追加のアクセス権セットなどでしょうかね。個人的には、ダイアログ内での操作性の問題もあって、インポート/エクスポートが一番の問題でしょうかね。

インポート/エクスポートのダイアログは、ハードコードの問題だけでなく、ファイル選択ダイアログが表示するパスを指定できなかったり、ファイル形式を記憶できなかったりするので、いろいろ課題を持っていますね。ダイアログを開かない全自動処理の場合はともかく、一部の操作をエンドユーザに任せる場合には現状では不便なことが多いです。

ちょっと地味で、セールス上のアピールはしにくいかもしれませんが、現場的にはとても重要なポイントですよね。今後の改善に期待したいところです。