開発者は「なまけもの」でちょうど良い

FileMaker に限らず、開発者はどちらかというとオタク系な人が多いようです。「オタク」というと、「ネクラ」(死語?)な感じがしますが、そういう意味ではなく、「技術にのめり込んだ人」(英語だと Geek)といった意味としておきましょう。

こういう人種は、人の知らないこと、人にはできないことを誇示したり、見せびらかしたりするのが大好きです。これが問題になるのは、ついつい「どうだーっ!」ノリでやらなくても良い機能を追加してみたり、本当の意味での使い勝手よりも見た目や新味のある方法で機能を実現したがったりします。つまり、余計なことをしがちなのです。そのために多大な時間を使ったりします。

システムの目的やエンドユーザの使い勝手という(あとコスト)視点で十分に検討されていることであれば、もちろん良いことなのですが、往々にしてそうではないシステムを見かける機会も多いようです。

年次処理の自動化に膨大な手間をかけたり、無意味にカラフルでアイコンばりばりの華美なデザイン(作った人には意味があるのでしょうが。笑)、画面中ボタンだらけでよく使う機能と使用頻度の低い機能のメリハリがついていなかったり、まあ様々です。

「せっかく、お金をかけるなら」という考えるユーザは、とかく「できることは何でも」という気持ちになりがちです。本当に必要な機能、システム開発の目的なんて、どっかにすっとんで、目の前にある画面、機能の細かいことに固執してしまうことがあります。

そうした時に、開発者は、システム開発の目的は何なのか、本当に必要な機能が何であるのか、それを使いやすくするためにはどうすれば良いのか、といった視点で助言(場合によっては議論、笑)ができないと、結局、目標や目的に対してピント外れなシステムになってしまいます。

『神は細部に宿る』 とも言いますが、システムの場合は、部分最適化よりも、システムを使うビジネス環境を包括した全体最適化こそが大切なのだと思います。私は。

文明の進化は「人が楽をしたい」という動機によるものですが、システムもそうではないでしょうか。使う人がいかに楽をするか、作る人がいかに楽をするか。真面目な人は、つい徹夜した日数、休日をつぶした日数といった、「どれだけ努力をしたか」を追求しがちですが、本当はそんなことには意味はありません。

いかに簡単に、楽に、成果を残すか。営業的には大変さをアピールすることも必要かもしれませんが(笑)、開発者は「なまけもの」くらいでちょうど良いと思います。

決して、目の前の仕事から逃げ出したいというわけではありません。たぶん(笑)。

さて、先日、FileMaker カンファレンス 2010 がありました。たくさんのユーザが集まり、盛り上がったようです。
FileMaker カンファレンス 2010 出展報告

時節柄、FileMaker GO に関係するセッションや展示が多かったようですが、これも流行というものでしょう。3年後に、データベースの利用環境がどのように変わっているのか、非常に興味深いところです。

相変わらず、まとまりがありませんが、思ったことを思った順に書いたということで。。。